こんにちは、田舎センセイです!
我が家は自給的農家なので、自分たちが食べる分の野菜を自宅の畑で栽培しています。
その中でも保存が効き、収穫量も多い「じゃがいも」は春先になると毎年植える野菜のひとつで、主に畑を担当している祖母は農家歴70年の大ベテランです。
本記事では、そんな農家の大先輩であるおばあちゃんと一緒に育てたジャガイモの「土作りから収穫までの工程」をひとまとめにして記録したいと思います。
Contents
じゃがいもの植え方と各栽培工程のポイントまとめ
1.土壌を殺菌して、耕す
種芋を準備する前に、我が家では植え付け予定の畑に土壌殺菌剤をまきます。
じゃがいもの場合は、皮の表面がカサブタ状になって腐る「そうか病」になりやすいので、その予防として土壌内に存在する休眠中の病原細菌の発芽を抑制してくれる「ネビジン」を使うことが多いです。
ネビジンについては散布時の様子を別記事で紹介しているので、そちらをご覧ください。
また、土壌のpHが中性からアルカリ性(pH7.0~)に傾きすぎても「そうか病」になりやすくなってしまうので、pHは弱酸性(ph6.0前後)を目安にすると安心です。
ジャガイモは当然ながら土の中で成長するので、しっかりと根を広げられるように深さ30cm程度にしっかりと耕します。我が家ではトラクターを使っていますが、当然クワなどを使っても出来ますね!
2.種芋(種イモ)の準備(芽出し~草木灰を使った殺菌処理)
畑の土の準備と並行して「種イモ」を準備します。
大切なポイントとして「種イモはスーパーのジャガイモではなく、種イモとして販売されている無病のもの」を用意しましょう!
じゃがいもの芽出し
種芋はホームセンターなどで購入が可能ですが、購入時期によってはまだ芽が出ていなかったリ、かなり芽が出てしまっていたり状態に差があることがあります。
3月末頃に購入すれば大体芽が出ていることが多く、そのまま種イモとして使うことができますが、まだ芽出しができていない場合は日向に種芋を並べて日光に当てることで芽が伸びてきます。
芽が出ていた方が発芽のタイミングも揃いますし、種芋のサイズをそろえる次の工程を行いやすいですが、日光に当てすぎると高温でしおれてしまったり、湿度が高いとカビたりしやすいので実はなかなか難しいです。
種芋を切ってサイズを40g前後に揃える
種芋となるジャガイモはサイズがバラバラなので、大きすぎる種芋は芽の部分を残すように切り分けることで数を増やします。
我が家では大体40gを目安に、小さいものはそのまま使い、大きすぎる種芋は切り分けるようにしています。
切断面が腐らないように灰をつけて消毒する
種芋を切断する場合は、草木灰やジャガイモシリカのような切り口を殺菌・保護する資材を使う必要があります。
我が家では「ジャガイモシリカの方が発根促進や腐敗防止に良い気がする」と教わったので好んで使っていますが、今回は途中でジャガイモシリカが切れたので草木灰も使いました。多分どっちでもそんなに違いはないと思います。
使い方は簡単で、トレーなどに草木灰やシリカを出して切断面に満遍なくつけるだけです。
こんな感じでOK。この工程をしないと、切断面から腐ってしまったりして収穫量が減ってしまうことがありますので、ちょっとした手間ですが種芋を切ったら必ず切断面の消毒を行うようにしましょう。
灰をつけた後に1日乾燥させるよう推奨されていたりするのですが、我が家は灰を塗布した後にそのまま植え付けをしています。
3.植え付け
我が家では植え付け前に病害虫対策として「オルトラン」をまいています。
じゃがいも(馬鈴薯)の場合は、アブラムシなどが付くことが多いので、予め土壌に混和して対策をします。
オルトランに関してはこちらの関連記事をあわせてご覧ください。
また、植え付けに関して知り合いのジャガイモ農家さんに聞いたポイントがありまして、そのポイントというのが「ジャガイモの切断面(芽が出ていない方)を上に向けること」。
逆さに植えることで芽が強くなるのと同時に、芋の地表部への露出が少なくて済むのもポイントです。
種芋を植える間隔は大体30cmくらい。
※ちょっと見えにくいですが、写真の真ん中から奥の方は全て切断して灰をつけた方を上に向けて並べています。
種芋を植える深さは、一般的には深さ5㎝程度(埋めるというよりは土をかける)と言われていますが、我が家は宮城県北部で春植えの時期はまだ寒いので8㎝位になるように土を盛ります。
クワなんかを使って盛り土をしていきます。
盛り土した後は種イモが腐る可能性があるので水やりなどはしません。
春植えの場合はマルチング材を使って露が付くのを避けるとより効果的です。
4.芽かき(間引き)をする
種芋から伸びた芽が地面から出て10~15㎝位になったら、勢いの良い芽だけを数本(2~3本)残して間引きをします。
これは全ての芽を残してしまうと、芋に注がれる栄養が奪われてしまい大きく育たなくなってしまうためで、できるだけ大きい芋を収穫したい場合には大切な作業です。
芽か気をする時に誤って種芋を掘り起こしてしまわないように、株元をしっかり押さえながら芽かきをするようにしましょう。
5.追肥&土寄せ
ジャガイモ栽培では、大体2回ほど「追肥」と「土寄せ」を行います。
追肥に使う肥料は様々ありますが、根菜類を太くするのに必要な肥料成分は「K(カリ)」なので、カリが主成分の草木灰をメインに与えると良いでしょう。
土寄せとは「芽が伸びて隆起してくる株元に土を寄せてイモが露出しないようにするための作業」を言います。
1回目の追肥と土寄せのタイミングは、芽かきを行ったタイミングと同時でOK。
2回目は、草丈が30cmくらいに伸びたタイミング(1回目の追肥と土寄せの2~3週間後)に行います。
6.花摘み
ジャガイモの花が咲くとイモが太るタイミングなのですが、花を放置すると芽と同様に栄養分がイモに行かなくなってしまうので摘み取ります。
ちょっとかわいそうな気もしますが、おイモを大きく太らせるためですので容赦なく摘んじゃいましょう!
7.収穫
ジャガイモの収穫の適期は地域によって異なりますが、目安は地上部の茎葉が枯れてきたタイミングです。
葉や茎が枯れて黄色っぽくなってきたら収穫は可能ですが、葉の枯れはじめの収穫だと皮の薄い新じゃがとして食べられますし、一般的には葉の8割程度が枯れてきたら収穫の適期と考えていいと思います。
注意すべきなのは、直前や当日に雨が降って地面が湿っている時に収穫をすると、ジャガイモが腐りやすくなってしまうので、数日雨が降らずに土が乾いている時に収穫するようにしましょう。
ジャガイモの病害虫とその対策
テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ/オオニジュウヤホシテントウ)
ジャガイモを育てていて地上部の葉が伸びてくると、ほぼ必ずと言っていい程「テントウムシダマシ」と呼ばれる、オレンジ色の光沢のないテントウムシのような虫が葉を食べにやってきます。
テントウムシダマシは、成虫も幼虫もジャガイモの葉や茎を食害し、大発生してからナスやトマトなど他のナス科の作物に飛散していきます。
※テントウムシダマシの終齢幼虫
発生時期は5~7月が多く、年2回発生する種類(ニジュウヤホシテントウ)と1回発生(オオニジュウヤホシテントウ)がいるので、発生サイクルが微妙に違いますが発見次第駆除する必要があります。
テントウムシダマシの予防や具体的な駆除方法については以下の記事もあわせてご覧ください。
まとめ
本記事では我が家のジャガイモ栽培の方法と工程について、一通りざっとご紹介しました。
私の住む地域は東北の寒い地方なので、全ての方に通ジるわけではないため我が家の栽培スケジュールはあえて公開しませんでしたが、育て方の目安や各工程は変わらないとおもうので参考になれば幸いです。
ひと口に「じゃがいも」と言っても様々な品種がありますので、是非下の関連記事もあわせてご覧いただき、栽培する品種の参考にしていただければと思います。